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剣山どさんこ牧 馬と心が通い合う雄大な自然の中のホーストレッキング

出かけたトコロ
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剣山どさんこ牧

「剣山どさんこ牧」さんは、北海道の芽室町にある馬の牧場です。
日高山脈の剣山の麓で、日本在来馬の北海道和種馬 "どさんこ" を自然放牧で飼育されています。

「剣山どさんこ牧」さんのホームページはこちら。

剣山どさんこ牧 公式
北海道和種馬「どさんこ」を自然放牧によって繁殖している牧場です。

 

以下、Googleマップの航空写真で見ると、その広さがわかると思います。

 

この「剣山どさんこ牧」さんでは、雄大な自然の中、開放的なホーストレッキングが楽しめます。

今回、家族全員で体験したホーストレッキングがとても素晴らしかったので紹介します。

 

「剣山どさんこ牧」さんが、どのような牧場なのかお伝えするため、乗馬に至る経緯も書いています。

ホーストレッキングの様子が、まず知りたい方は、記事後半の「ホーストレッキングに出発」から見てください。

 

この記事で説明している場所の位置関係がわかるように、牧場の建物周辺の見取り図も付けておきます。

 

ふるさと納税の返礼品

私は、毎年、ふるさと納税でいろいろな返礼品をゲットします。

一昨年のふるさと納税では、芽室町のふるさと納税の返礼品で、「剣山どさんこ牧」さんの「1日乗馬券」をもらいました。

 

 

昨年の夏は乗馬できず

昨年の夏のことです。

この「1日乗馬券」で乗馬をしようと思っていたので、北海道の旅行中のホテルから「剣山どさんこ牧」さんに電話しました。

結局、電話がつながらなかったので、メールでやりとりすることに。

 

電話がつながらなかったので、メールしました。
明日、8月27日、ホーストレッキングをしたいと思っています。

今、旅行中で、東京にいます。
28日に帰ります。

 

前日に連絡した私も、相変わらず、行き当たりばったりです。

残念ながら、牧場主の川原さんが東京へ旅行中で、この年の乗馬は叶いませんでした。

 

今年の夏にリベンジ

今年は、20日前に「剣山どさんこ牧」牧場主の川原さんに、予約のメールをします。
ところが、今度はメールが届きません。

電話をかけると、優しそうな声の川原さんが出て、昨年の夏のことも伝え、無事に予約ができました。

 

はい。
川原です。

8月の2日に「1日乗馬券」でホーストレッキングがしたいのですが、できますか?

はい、はい。
大丈夫ですよ。

何時からやってるんですか?

何時でもいいですよ。

あと、そちらでは、昼に食事ができますか?

こちらでは、何も用意できません。

来る途中のAコープで弁当を売っているので、それを買ってきてください。

 

私たちは、帯広に行ったとき、朝食でよく利用する「麦音」のパンを持って、「剣山どさんこ牧」さんに向かうことにしました。

11:00到着が目標です。

 

牧場に到着

Googleマップのナビに従って車を走らせ、メムロスキー場を越えて、しばらくすると、牧場へ向かう脇道に入ります。

さらに進むと、アスファルトの道が終わり、最後は砂利道を走ります。

 

牧場の入口の看板を目印に中に入っていくと、「おそらく、ここで受付するのかな」というログハウス風の建物が見えます。

 

受付

ログハウスに入ると、川原さんは、部屋のソファーで高校野球を見ながら、うたた寝をされていました。

 

こんにちは。

はい、はい。
ようこそいらっしゃいました。

 

ふるさと納税の返礼品の「1日乗馬券」3名分と追加の1名分の代金を渡し、受付をします。

 

ここでは、自由に馬に乗ってもらえるのですが、事故が起こった場合、基本、自己責任になります。
私の不備か、うちの馬の調教が悪いせいで事故が発生した場合は、賠償をさせてもらいますが、それ以外は、そちらの自己責任になります。
よろしいですか?

はい。

 

責任条件について承諾をしたら、その旨が記載されている書類に署名をします。

 

馬を見に行く

後で聞いた話ですが、川原さんは、北海道庁の元職員で、定年退職後にこの牧場を始められたそうです。

80歳を過ぎておられるそうですが、なんと、この牧場をたった一人で運営されています。

 

ここには、70頭ほどの馬がいます。

まずは、うちの馬を見てもらいましょう。

 

長靴を借りた後、ログハウスの外に停めていた車に再度乗り込み、川原さんの車の後について、来るときに通った牧草地に向かいます。

 

馬がいない

太陽光パネルが設置されている牧草地の入口に車を停めます。

 

あれ?
馬がいないな。
ちょっと、探してきます。

 

そう言うと、川原さんは、車で牧草地の奥に入っていきます。

 

 

2分程で戻ってきた川原さんは、

 

いないですね。

ときどき、勝手に帰っているときがあるので、ちょっと、戻って見てきます。
ここで、待っていてください。

 

そう、言い残すと、さっきのログハウスの方に車で戻っていきました。

しばらく待っていると、川原さんが帰ってきて、

 

いました。
やっぱり、帰っていました。

先に、牧場に戻っておいてもらえますか?
あと、馬が車をかじることがあるので、農機具が置いてある真ん中の建物に車を入れて、ゲートを閉めておいてください。

 

とのこと。

私たちは、川原さんの言葉に従い、牧場に戻り、言われたとおりに農機具の置いてある建物に車を入れました。

 

馬たちに出会う

車を降りて待っていると、ログハウスの奥の森の先に川原さんの車が見えます。

 

 

どうも、「こっちに来い」と手招きされているようなので、森の方に向かって歩いていくと、

「いました、いました。」

森の木の間に、たくさんの馬の姿が見えてきました。

 

 

雄大な日高山脈の麓の広々とした牧草地で、馬たちが悠々と草を食べています。

 

 

これが自然放牧という飼い方なんですね。

 

馬と触れ合う

馬は、乗り物の側面はありますが、生き物です。
そこがオートバイと違うところです。
自由に触れても大丈夫なので、まずは、馬に触ってみてください。

 

馬の数に圧倒されて、最初は恐る恐るですが、馬とのスキンシップを楽しみます。

 

この馬が、群れのリーダーだそうです。

 

 

土煙を残して

さぁ、帰るぞ!

 

川原さんがそう言うと、馬たちが一斉に牧場の方へ走り出しました。

 

仔馬を気遣ってか、お母さん馬と仔馬のペアだけが、ゆっくりと帰っていきます。

 

あっと言う間に牧場の方へ帰っていった馬たちの後には、木の丈よりも高い土煙が。

「中学校のときの国語の教科書に、モンゴルの草原を走る馬の群れの後に立ち上る土煙の描写があったなぁ。」
「たぶん、こんな感じなんだろうな。」

もうもうと立ち上る土煙を見ながら、私は、こんな昔のことが頭に浮かんできました。

 

牧場に戻った馬たち

自分たちも牧場に戻ります。

これからエサをもらえるらしく、一足先に帰っていた馬たちは、川原さんの合図で厩舎の中に入っていきます。

 

川原さんを先頭に、馬の一団の行列がやってきました。

 

70頭の馬が、川原さんに素直に従います。
最後の仔馬と母馬も、ちゃんと戻っていました。

 

こうして、川原さんは、毎日1人で馬たちの世話をしているのですね。

 

自力で馬をコントロールする

今日は、引き馬や馬装もやってもらいます。
できれば、次からは、自分一人で馬装できるようになって帰ってください。

 

私たち家族は、8年前の2010年の夏、「ニセコ乗馬ビレッジ(現在は、いわないホースビレッジ)」という牧場で、簡単な乗馬体験をしたことがあります。

いわないホースビレッジ」さんのホームページを見ると、おそらく「アラウンドランチコース」という30分のコースでした。

以下「アラウンドランチコース」の説明にも書かれているように、柵の中で練習した後、百メートルくらい森の中を歩くという、超初心者向けの体験です。

柵の中でちょっと練習してから、森の中へレッツゴー!
白樺の林を通り抜けると、馬の大好物の笹を発見。
馬は大喜びでムシャムシャ食べる、でもそろそろ行かなきゃ・・・。
とっても可愛いですよ!?

 

川原さんは、乗馬経験ほぼゼロの私たちに、いきなり引き馬をさせ、自分で鞍を付けて、冒頭のGoogleマップで示した広大な牧場をホーストレッキングさせてくれると言うのです。

 

馬とのペアリングが決まる

私たちが乗る馬は、川原さんがセレクトします。

先ほど、馬がエサをもらっていた厩舎の奥から、1頭づつ、私たちに合った馬を連れてきてくれます。

 

私の馬は、イナズマ号になりました。

引き綱の止め方を簡単に説明してくれた後、川原さんは、馬の爪切りを取りに行きました。

 

 

おまえ、自分で蹄を研げと言ってるやろ。

 

とイナズマ号に言い聞かせながら、詰めきりで蹄の先を整えます。

その間、イナズマ号の体には、アブがたくさん寄ってきて、イナズマ号は、体を揺すったり、足踏みしたり、なんとかアブを追い払おうとします。

イナズマ号がバタバタ動き回るので、側にいる私は、ちょっと緊張です。

 

厩舎の中には、鞍や手綱が置いてある場所があり、ここでヘルメットを借ります。

 

引き馬

家族全員の馬が決まり、各自、自分の馬の引き綱を引いて、厩舎の外に馬を連れ出し、厩舎から50メートルほど下りたところにある柵の中に連れて行きます。

私以外は、さっさと馬を引いて行きましたが、私のイナズマ号は、

「行くぞ!」

と言って、何度引き綱を引っ張っても動こうとしません。

 

さっき、厩舎の奥から、川原さんがイナズマ号を引っ張り出してくるときも、かなり抵抗していました。

 

馬は、これから乗馬が始まるのを知っています。

しんどいから、馬も人を乗せるのは嫌なんだよ。

 

13歳の馬らしく、この年齢の馬になると、さすがに簡単には従ってくれません。

 

ここでなめられてはダメだと思い、低く大きな声で、

「来い!」

と言って引き綱を引くと、やっと歩きだしてくれました。

 

馬装

柵の中に馬を連れて来たら、馬の背中に鞍を付けます。

 

まず、背中に毛布を乗せます。

次に鞍を乗せますが、この鞍は、ウェスタン鞍で前方にグリップがあります。
このウェスタン鞍は、カウボーイが使っていた鞍で、長時間馬に乗っていても負担が少ないのが特徴です。

鞍を馬の背中に乗せたら、こうやって仮止めしてください。

 

 

鞍をつけ終わったら、普段、馬が頭に付けている無口(ハミや頭絡が無い)を外し、轡に交換します。

轡には手綱が付いています。

 

次に、自分の足の長さに合わせて、鐙の長さを調整します。

鐙の長さが調整できたら、いよいよ馬にまたがります。
その前に、仮止めしていた鞍のベルトを締め、鞍をしっかり固定します。

あまりきつく締めると馬がしんどいですが、緩いと鞍が動いてしまいます。

馬への乗り方ですが、いきなり乗ると、馬がびっくりして走り出すことがあります。
まず、鐙に手を当て、体重をかけて思いっきり下に押し下げます。

馬が落ち着いていたら、左足を鐙に掛けます。
次に左手で馬のたてがみを掴み、右手で鞍のグリップを持ち、こうやってまたがります。

 

家族みんな、苦労しながら、なんとか馬にまたがるところまで行きました。

 

馬の止め方はこうね。
軽く手綱を手前に引っ張ります。

さらに、手綱を引っ張ると、馬はバックします。

曲がるときはこうね。
曲がりたい方の手綱を緩めて、曲がりたい方に輪っかを作る感じです。

降り方はこうです。

必ず、両足を鐙から放します。
片足を残してると、馬に引きずられてしまうことがあるからね。
馬に引きずられると、死ぬこともありますから。

両足を外したら、左腕を馬の首に付いて、右手で鞍のグリップを持って降ります。

 

川原さんは、最悪は死に至る危険性のことも話しながら、淡々と馬装のやり方や馬の乗り降り、馬のコントロールの仕方を教えてくれます。

 

馬装を教わっていた柵の中には、5頭の馬がいました。
私たち家族と川原さんが乗る予定の馬です。

ただ、柵の隣には、2日前にこの牧場に引き取られてきたという、数頭のよそ者の馬がいました。

 

川原さんが、

 

私はこの馬に乗ります。
この馬は、まだ、調教が不十分で、人を乗せてトレッキングしたことがないので、今日は乗りこなしてやろうと思っています。

 

と言っていた馬が、途中、柵越しのよそ者馬に興奮し、狭い柵の中を駆け出したときは、ちょっとあせりました。

そのときも、川原さんは、

 

放っておけ!

 

と一言言い放ち、相手にしません。
流石です。

 

12時過ぎましたね。
では、昼ご飯にしましょう。

 

ということで、昼ご飯を食べた後、お楽しみのホーストレッキングは、13時からスタートです。

 

ホーストレッキングに出発

持参したパンを食べ、いよいよ待ちに待ったホーストレッキングに出発です。

 

 

「イナズマ、頼むぞ!」

 

 

私たち家族がちょっと心配になったのか、川原さんは、例の調教不十分の馬の乗馬はあきらめ、引き綱で先頭の馬を引っ張ってくれることになりました。

 

何かあったら、私が馬を引きますから、遠慮なく言ってください。

 

柵を出て牧草地へ

馬にまたがり、いよいよ柵の外に出ていきます。

 

 

娘は、ニセコの牧場でも乗馬をしなかったので、全く初めてのホーストレッキングです。

"てっちゃん"という馬は、きちんと調教されているようで、初めての娘でも、うまく乗りこなせています。

 

最初に馬に出会った森を越えて、広い牧草地に入ります。

 

ゆっくりと剣山に向かって進んでいきます。

 

馬の背中に乗って歩く道は、目線が高いため、新鮮に見えます。

 

牧草地の西の端に着きました。

 

振り返ると、牧場の先に芽室の畑、さらにその先に十勝平野が見渡せます。

 

川原さんが、私たち家族の写真を撮影してくれました。

 

山の中へ

牧草地の西の端からの風景を楽しんだ後は、山の中へと入っていきます。

 

草をかき分けながら、馬1頭が歩ける細い山道を進みます。

山道の途中、全ての馬が先に進まなくなってしまうこともありました。

 

自分の行きたい方を馬に伝えて!
どうやったら、自分の意志が馬に伝わるか、考えて工夫してよ!
手綱をしゃくって!
「しゃくる」って意味わかる?

 

離れた場所から、川原さんが大きな声で叫びます。
川原さんの指導で何とか立て直し、また、馬が一列になって歩き始めました。

 

山道を抜けると、牧草地の大きなクヌギの木の前に出てきました。

 

だいぶ馬をコントロールできるようになってきましたね。

 

ここで、川原さんから、お茶のペットボトルを1本ずつ渡してもらい休憩です。

お茶で一服した後、牧草地を進みます。

 

牧草地の南の端に着きました。

出発予定時間の16:30が近づいてきたので、ここからは、ショートカットで牧場に戻ります。

 

帰り道は、馬とのコミュニケーションも深まり、上手く馬を進めることができるようになりました。

ひょっとしたら、馬も

「あ~ぁ、やっと帰れる。」

とわかっていて、素直に帰り道を歩いているだけかもしれませんが。

 

牧場に戻ってきた

楽しかったホーストレッキングも終わり、牧場に戻ってきました。

牧場を出発してから、1時間半ほどの道のりでした。

私たちは、馬の背中に乗っていたので楽ちんですが、川原さんは、登り坂も含めて、歩きで付き合ってくださったことになります。

 

鞍を降ろして、手綱と轡を外してやってください。

終わったら、ご褒美にエサをやります。

 

「イナズマ、お疲れさま。」
「そして、ありがとうね。」

 

みんな、それぞれ自分の乗ってきた馬に情が移ったようで、自分の馬との別れを惜しみます。

 

厩舎の前の水道で長靴を洗って、元の場所に返し、最初のログハウスに戻ります。

 

最後に川原さんの写真を撮らせてもらいました。
この柔和な笑顔が素敵です。

 

次の宿泊先に向かうので、これでお別れですが、今日は本当に貴重な体験をありがとうございました。

いえいえ。
こんな感じで、適当にやっています。

1人でやられているの、本当にすごいです。

さっき、見ていただいたように、エサをやるくらいですから。
今日みたいに、2時間くらい歩くのが日課です。

川原さんも体に気をつけて、長生きして、この牧場を末永く続けてくださいね。

 

名残惜しいですが、川原さんに見送られながら、「剣山どさんこ牧」さんを後にします。

 

まとめ

広々とした日高山脈の麓で、自然放牧で馬の繁殖・飼育をされている「剣山どさんこ牧」さんは、馬を見に来るだけでも価値があります。

 

また、放置プレイ気味のホーストレッキングは、自由度も満足度も高く、お薦めの体験です。

これだけ開放的なホーストレッキングが体験できるところは、他にはなかなか見つからないのではないでしょうか?

 

是非、「剣山どさんこ牧」さんの川原さんと "どさんこ" たちに会いに来てください。

私も、すでに、もう一度ホーストレッキングがやりたくて、ウズウズしています。

 

 

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