入学から2年が経ちました
早いもので、息子がO大学に入学して、2年が経ちました。
今日は、数か月ぶりに息子と電話で話をしました。
今回の記事では、息子の受験直前の神がかりな話を2つ紹介します。
この話は、今日の息子との電話でも話に上がりましたし、不思議な思い出として、ときどき話をします。
これを「農業高校生のお受験体験記」シリーズのあとがきに代えて、このシリーズを終えたいと思います。
大規模農業の弊害
大学受験本番に備え、明日から、飛行機でO大学のある北海道へ飛び立とうとしていた受験前々日の夜、息子は、農業高校から下校しようとしていました。
自転車の駐輪場まで来たとき、一緒に下校していた友達が、「携帯電話を忘れた」と教室に戻りました。
いつもなら、友達と教室に戻るところ、その日は、駐輪場で友達を待つことにしたそうです。
すると、3年間「牛部」の部活動でお世話になった顧問のH先生が、たまたま通りがかりました。
明日から、受験に行ってきます。
おぉ、そうか。
ところで、R(息子の名前)、大規模農業の弊害ってわかるか?
その後、H先生は、伝染病が発生したときのリスクなど大規模農業の弊害や、逆にメリットなどを一方的に話しまくった後、
じゃあ、がんばって来いよ。
と言って、帰って行かれたそうです。
大学受験当日、O大学の論文試験には、以下の記事で紹介したように、
農業規模(農地規模)が大規模化することの利点と欠点を指摘した上で、あなたが考える日本農業のあるべき将来像について、600字程度で述べなさい。
という問題が、そっくり出題されました。
問題を見た息子は、心の中で「やったぁ!」とガッツポーズをし、H先生から聞いた話を思い出しながら、原稿用紙に文章を書いたそうです。
ふりかけじゃだめなんですか?
面接の練習方法は、以下の記事でも紹介しました。
入学試験の1か月ほど前だったでしょうか?
父親の私と嫁さんの2人が面接官役になって、初めて面接の練習をしたときのことです。
嫁さんが、
最近見たニュースで気になったものはありますか?
という質問をしました。
そのとき、息子は、その頃のニュースで報道されていた「大雨で農作物に多大な被害」という内容を返していました。
私は、息子と嫁さんの質疑応答を聞きながら、
「なるほどなぁ。こんな質問もされるかもなぁ?」
と頭の片隅で気になりましたが、それっきりでした。
話は、入学試験本番の前日に飛びます。
O大学のある北海道のホテルに入った息子に、3日前にテレビで見たニュースのことをLINEで送りました。
このニュースは、当時、大阪市長だった橋本徹さんが大阪市役所で中学校の先生たちと
「試験的に導入した外部業者からのデリバリー給食が冷めて冷たいので、子供たちが給食を残してしまう。」
という問題について議論している内容です。
キー局の全国ニュースでも流れていたので、北海道のO大学の先生も知っているかもしれません。
LINEを送った後、しばらくして、息子に電話でアドバイスしました。
ネットの動画見たか?
見たで。
もし、面接で「気になったニュース」の質問が来たら、この話出したら?
地元の大阪の話題やし、食育の話やし。
そうやな。
実際、面接本番では、面接官の先生から、
最近、気になったニュースは何ですか?
という質問が飛んで来ました。
息子は、すかさず、
給食のふりかけの話です。
と切り出します。
O大学の先生もこのニュースは見ていたらしく、面接会場は、
あぁあぁ、あの話ね。
と、大爆笑になったそうです。
以下の記事でも書いたように、「圧迫面接」を仕掛けてくる「悪役」の面接官の先生も、下を向いて必死に笑いをこらえていたそうです。
この話題で盛り上がった後、面接は、別の話題も含めて順調に進んで行ったそうです。
このまま面接が終わるかと思ったころ、「悪役」の面接官の先生が、最後にもう一度「ふりかけ」に話を戻して、この問題の本質に関する突っ込んだ質問をしてきました。
「ふりかけ」騒動の本質的な問題点はなんだと思う?
冷めた給食を食べないといけないという状況だと思います。
じゃあ、なんで冷めた給食を食べないといけないのかな?
息子も付け焼刃なので、3回ほどの質疑応答で問題の根っこを深堀りされ、あえなく撃沈。
私の今の実力では、ここまでが限界です。
この大学に進学して、もっと実力をつけたいと思います。
そうだね。
大学に入学したら、しっかり勉強してください。
試験が終わった後、電話でこの面接の様子を聞いたとき、息子は意気消沈していましたが、私は、
「ひょっとしたら、受かったかも…」
と思いました(笑)。
おわりに
上の2つの話のように幸運なことにも恵まれ、息子は、無事に希望の大学に入学できました。
でも、ラッキーだけでないことは、私たち家族が一番よく知っています。
まぁ、受験勉強中の4か月、息子は人が変わったように死に物狂いで勉強していましたから。
一生懸命にやって人事を尽くすと周囲からの協力も得られ、また、こんなラッキーな何かが起こるのかもしれません。
以下の記事で紹介した秋元神社の神様のご褒美かもしれませんね。
息子の大学受験を通して、親である私自身が感じたこと、ささやかながら、私が息子にアドバイスした実践方法を中心に書いてきた「農業高校生のお受験体験記」シリーズですが、この記事でいったん完了します。
同じような状況の受験生やそのご家族、先生方の何かの参考になれば幸いです。
息子の受験をサポートしてくださった農業高校の先生方や友人の皆さん、何より、長きに渡って、記事を読んでいただいた読者の皆さんに感謝します。
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