卓上リフロー炉が欲しい
電子工作をするとき、プリント基板を作って、その基板に部品をハンダ付けしたいことがあります。
以下の写真のように、リード線付きの部品であれば、1点1点、部品をプリント基板の穴に挿して、ハンダごてでリード線をハンダ付けできます。
でも、最近は、以下の写真のような表面実装タイプの部品が主流です。
表面実装タイプの部品も、1点1点、ピンセットで基板の上に乗せて、リード線付きの部品と同様、ハンダごてでハンダ付けできるのですが。ハンダ付けの際、部品を固定しておくのが面倒です。
また、ピン間隔の狭い電子部品をハンダごてでハンダ付けするのは、至難の業です。
ということで、そろそろ、小型で安い卓上リフロー炉が欲しくなってきました。
リフロー炉があると、クリームハンダを塗ったプリント基板に部品を載せ、基板全体に熱をかけることで、一気に表面実装部品のハンダ付けができます。
購入か?自作か?
まずは、
「市販の卓上リフロー炉を購入するのか? それとも、自作するのか?」
を考えます。
市販の卓上リフロー炉
市販の卓上リフロー炉をネットで調べると、中国製の以下の商品がよくヒットします。
個人でも購入できない価格ではありませんが、使用者のWEBサイトを見ると、改造することが前提のようです。
改造するくらいなら、最初から自作する方が安上がりですね。
自作のリフロー炉
日本では、ホットプレートを使ってリフローをしている人が多いようです。
リフロー炉ではなく、リフロープレートですね。
一方、海外では、オーブントースターを改造するのが主流のようです。
いろいろ悩んだ挙句、今回は、オーブントースターを改造したリフロー炉にチャレンジすることにしました。
オーブントースターの選定
まずは、リフロー炉そのものになるオーブントースターを選定します。
最近は、庫内にファンで風を送り、強制的に熱風の対流を起こす、コンベクションオーブンが市販されています。
今回は、コンベクションオーブントースター、もしくは、ノンフライオーブンの中から選ぶことにしました。
選定する際に、以下の条件を考慮しました。
- 10,000円以下で購入できる。
- マイコン制御。
- デザインが格好いい。
電気量販店を回って物色したり、ネットで調べたりした結果、以下、ツインバードの「TS-D067B」に決めました。
一番の決め手は、デザイン性です。
正面のハーフミラーも恰好いいし、ボタン類のデザインもスマートです。
また、3桁の7セグメントLEDが2つ付いているので、マイコン制御をしていると思われます。
マニュアルを読むと、温度を10℃きざみでコントロールできると書いてあるので、熱電対などの温度センサーやリレーなども付いていると考えました。
熱電対などの温度制御に関する部品は、秋月電子やRSコンポーネンツでも購入できますが、上手く行けば、追加の部品購入費を抑えられます。
ツインバードの「TS-D067B」は、Amazonで購入しました。
機能やスペック
自作するモノの機能やスペックをあれこれ考えるのは、楽しいものです。
実際のオーブントースターや部品が揃ってないので、最終的には断念せざるを得ないかもしれませんが、自作の最初のステップは、イメージを存分に膨らませて、大風呂敷を広げましょう。
今回は、以下の機能やスペックを考えました。
【機能】
- 温度プロファイルは、自由に設定できる。
- 設定した温度プロファイルに沿って、庫内(リフローする基板)の温度をマイコンでコントロールする。
- 温度測定は、熱電対かサーミスタ(購入したオーブントースターに付いているものを利用する)で行う。
- BLE(Bluetooth Low Energy)を搭載したスマフォやタブレットとワイヤレス接続し、温度プロファイル設定や動作時の温度モニタに、GUI(Graphical User Interface)を活用する。
【スペック】
- 温度範囲は、0℃~250℃。
- 温度コントロールの精度は、±5℃以下。
- BLEの通信範囲は、リフロー炉から2m以内。
一番気になるのは、BLE(Bluetooth Low Energy)の通信です。
オーブントースターの内部は、250℃以上温度が上がるので、当然、筐体は金属でできているはずです。
BLEの通信モジュールは、オーブントースターの金属筐体の中に入れるつもりなので、ひょっとしたら、2.4GHz帯の電波が金属筐体で遮蔽されて、オーブントースターの外側に出てこない(内側にも入らない)かもしれません。
このあたりは、ツインバードの「TS-D067B」が届いたら、現物で確認するしかないです。
次回からは、この機能やスペックに沿って、必要なモノを準備していきます。
コメント