オープンキャンパスから帰って
東京で単身赴任中の私は、羽田空港までです。
息子は、関西空港まで帰るので、羽田空港でスターフライヤーに乗り換えです。
空港で、
じゃあ!
受験勉強、がんばれよ!
と別れてから、しばらく、
「O大学へ行きたいと言ったものの、これから、息子はどうするんだろう?」
「本気なんだろうか?」
と思っていました。
1週間ほど経ってからだったでしょうか、息子に電話して、
「農業白書」読んでるん?
と聞くと、
まだ。
の返事。
「やっぱり、単なる憧れか?」
とも思いました。
ところが、中学のときから入っていた、地元「だんじり祭り」の青年団主催の盆踊り大会が終わったとたん、自ら「やる気スイッチ」入れて、がぜん「食料・農業・農村白書」を読み込み始めたみたいです。
今になって思うと、この後に書く「部品集め」を息子がしていなかったら、小論文試験・面接試験での合格はなかったはずです。
LEGOブロックで遊んだことありますか?
いろいろなパーツやLEGOブロックを組み合わせて、なにか大きなものを作ることをイメージしてみてください。
より大きく、複雑な形をしたものを作ろうとしたら、パーツやブロックの種類と数が必要になります。
本や教科書から得られる知識は、簡単に言ってしまうと、このパーツやブロックみたいなものです。
1つ1つでは、誰が持っているものもそれほど大きな違いはなくても、それを組み合わせると、とたんにオリジナリティあふれるものに形を変えたりします。
逆に、どんなに頑張っても、数も少なく、同じ色や同じ形のパーツやブロックしかなかったとしたら、なかなか人目を引くようなものは作れません。
小論文や面接のときの部品
小論文を書いたり、面接で質疑応答したりすることは、このパーツやブロックを素早く選んで、組み立てる作業に似ていると思います。
例えて言うと、
- 小論文試験で、小論文のテーマが提示されたとき
- 面接試験で、面接官の質問が飛んできたとき
いろんなパーツやブロックが、じゃらじゃら入ったズボンのポケットに手を突っ込み、自分のイメージした作品を作るのに必要な部品を選び出し、瞬時に組み立てるようなものです。
それなりの数と種類の部品をポケットの中に持っておかないと、イメージした作品を作るのは難しくなります。
また、できあがった作品は、他人とあまり変わり映えのしないものになってしまいます。
過去の小論文問題
O大学の過去の小論文試験問題を見ながら、話を続けましょう。
「yume」さんのブログ
と、その前に、O大学の過去問題に関しては、「yumeさん」の以下のブログを参考にさせてもらいました。
今回の「高校生のお受験体験記」を書くにあたって、もう一度、「yumeさん」のブログを一通り読ませていただきました。
すると、なんと、この「yumeさん」、愛知の中学校を卒業後、単身、北海道の農業系の高校に進学され、酪農経営科で勉強されたようです。
この行動力すごいです!
その後、北海道の高校からO大学に入学され、この度、無事に富良野の観光農園に就職が決まったそうです。
おめでとうございます。
小論文問題
では、23年度の小論文問題です。
23年度
最近、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関する記事がマスコミ報道をにぎわしており、このような貿易自由化の波は日本の農業にも多大な影響を及ぼすと考えられています。
そこで、こうした貿易自由化日本の農業に与える影響と、日本の農業が進むべき方向の両方について、以下のキーワードを3つ以上用いてあなたの考えを1000字程度で述べなさい。キーワード 食料自給率、地域経済、農業技術、家畜飼料、化学肥料、保護主義、食の安全、大規模農業、特産品、農薬、過疎化、遺伝子組み換え、関税、ブランド、担い手、集約化、高齢化
どうですか?
ここで挙げられたキーワードが、パーツやブロックに当たります。
このキーワードを、その意味や背景を理解した上で、自分のポケットの中に持っておかなくてはいけません。
さらに、このキーワード(部品)をつなぎ合わせて、自分自身の考えや意見(作品)を組み立てるのが小論文試験です。
作品の大きさは、「1000文字程度」と決められた範囲の中でです。
もう一つ、過去問題を挙げましょう。
24年度
日本の農林水産大臣はあなたと仮定する。貿易政策以外で、あなたが現在の国内農業に関する重要な問題を解決するために実施したい農業政策を一つ考え、その内容について1000字程度で説明しなさい。
今度の問題は、あらかじめキーワードやその数が指定されていません。
ということは、自分の意見や考えを述べるために必要な、最適のキーワードを自分のポケットの中から選ぶことから始めなければいけません。
しかも、選び出す数も大切ですね。
あまり多いと、論旨がぼやけてしまいます。
なので、選び出すキーワードは、厳選されたものにしなければいけません。
まずは部品の数と種類を増やそう
いきなり、小論文や面接のテクニックから入ってもいいのですが、私は、まず、作品作りに必要な部品の数と種類を増やすのが良いと思います。
上の記事で、S先輩に紹介された「食料・農業・農村白書」は、この部品集めに最適です。
しかも、部品のつなぎ方のお手本としても参考になります。
実はこれ、後々になってわかったことです。
上で挙げた過去問題は、典型的な小論文問題ですが、O大学の場合、2012年実施の試験あたりから、明らかに傾向が変わってきています。
結果から言うと、上で挙げた問題の方が簡単で、最近の問題の方がむずかしくなってきています。
上に挙げた小論文問題であれば、普通にニュースを見たり、新聞を読んだりしていれば、なにも、分厚い「食料・農業・農村白書」を読み込まなくても、そこそこの解答は書けると思います。
最近の小論文問題の傾向と、この傾向に対しても「食料・農業・農村白書」の読み込みが有効な理由は、以下の記事に書いています。
「農業高校生のお受験体験記」一覧を見る。
※ その年の「食料・農業・農村白書」の最新版は、7月頃に発行されるようです。
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