2度目の知床 2日目の目的
昨日は野生のヒグマに会えました。
知床のもう一つの目的、2日目の今日は、ホエールウォッチングです。
羅臼の天気は曇り、気温も低そうなので、クジラに会えるでしょうか。
「羅臼観光船はまなす」
新型コロナウイルスの影響で、それほど混んでないだろうと高を括っていた私は、前日の昼に知床へ移動する車から、観光船の予約をしました。
ところが、3つある羅臼の観光船のうち、2つはすでに予約でいっぱい。
唯一空きがあった「羅臼観光船はまなす」さんも、空きは、朝一番の8:00出航の便のみ。
ちょうど、5日間の3便体制の初日だったみたいで、ラッキーでした。
予約できて本当に良かった!
宿泊したウトロのホテルから、羅臼の観光船の待合所までは、車で1時間近くかかります。
当日は、早朝に起きて、朝食も食べずにチェックアウト。
うっすら霧のかかった知床峠を越えて、教えてもらった「羅臼道の駅」をめざします。
「羅臼観光船はまなす」 さんの待合所は、「羅臼道の駅」のすぐ横にありました。
「羅臼観光船はまなす」 さんの船は、羅臼観光船3隻の中では、一番小さいクラスです。
3つの観光船は、互いに無線で連絡を取り合い、クジラなどの生き物のポイントを共有しているため、どの会社の船に乗っても、同じ場所に向かいます。
しかし、ポイントへの到着が数分遅れたたけで、クジラが海深く潜ってしまい、クジラに会えないこともあるみたいです。
実際にこの日も、別の船は、お客さんの乗船が遅れ、クジラが見れなかったそうです。
船が小型な分、逆に、最大乗客数が少なく機動力があるかもしれません。
操舵室は、こんな感じです。
イシイルカ
船が港を出てから、しばらくすると、
「船の前方に、イシイルカが群れで泳いでいます。」
のアナウンスがありました。
これは、なかなか幸先が良いぞ!
水中マイクでクジラを探す
イシイルカの後、船は、沖のホエールウォッチングポイントへ進んでいきます。
曇り空ですが、波はそれほど高くありません。
私も船の先頭で周囲に目を凝らしてクジラを探しますが、波間に浮かぶ渡り鳥が時折見えるだけで、クジラの兆候はありません。
数か所のポイントに到着さるたび、スタッフの女性が船の舳先に行き、水中マイクでクジラの発する音を聞き、クジラが近くにいるのか、まだまだ遠いところにいるのかを船長にジェスチャーで伝えます。
女性スタッフのジェスチャーは、向かい合わせた両手の間隔を広げる、
「クジラの場所は遠い」
です。
後で、聞いたら、この女性、音楽大学卒業なんだそうです。
クジラの音を聞き分ける能力を買われたのかな?
さらに、下船の際、どんな音が聞こえるのか質問したら、スマフォでその音を聞かせてもらいました。
良くテレビなどで耳にするクジラの鳴き声を想像していたのですが、貝殻とか金属をぶつけ合わせたときのようなクリック音でした。
その音は、以下のYouTubeでも聞くことができます。
マッコウクジラは、このクリック音を出し、ダイオウイカなどの獲物から反射して返ってきた音を聞き分けて、餌を探しているらしいです。
クジラの潮吹きが見えた!
水中マイクでの探索を数回行いましたが、クジラの場所は、まだまだ遠い感じです。
すでに、出航してから1時間以上が経ちました。
「今日は、クジラ見れないのかな?」
と半ばあきらめかけていたとき、船の上にいた観光客のおじさんが、
「あそこで潮を吹いている!」
と叫びました。
おじさんが指差す方向を見ると、肉眼でも見える距離にクジラの潮吹きが上がっています。
お目当てのマッコウクジラのようです。
船がクジラに近づいてくれた後、2~3分ほど海面にクジラの背中が見えていました。
その後、マッコウクジラは海中に潜ったのか姿が見えなくなりました。
気が付くと、近くには、別の観光船も到着していました。
船長とスタッフが、船上の拡声器で会話します。
「浅潜りかな?」
「水中マイクで確認してみて。」
再び、女性スタッフが船の帆先に出て、クジラのクリック音を確認します。
水中マイクの音を確認した後のスタッフのジェスチャーを見ると、まだ、クジラは、浅いところに泳いでいるみたいです。
いよいよ、フィナーレの深潜り
船長が拡声器で、乗船客に伝えます。
「しばらくしたら、また、クジラが浮上すると思います。」
「次が、最後のチャンスですよ。」
10分ほどたった後、再びクジラの潮吹きが見えました。
しばらくすると、クジラは、尾びれを上げて、海中に餌を求めて「深潜り」をして行きました。
以下の写真は、観光船のスタッフが、同じマッコウクジラを船の屋根から撮影したものです。
さすが、毎回船の上から撮影しているだけあって、ピントもばっちり合った写真です。
「羅臼観光船はまなす」 さんのホームページでは、毎日のクルージングの状況をブログにまとめられています。
私が乗船した2020年8月10日のブログはこちら。
帰港途中の解説
なんとか、マッコウクジラを間近で見ることができました。
船長さんの話によると、今日のホエールウォッチングは、スタッフが連携してクジラの位置を突き止め、船を急行させた、完璧な仕事だったそうです。
クジラを見た後、港に戻るまでの間は、水中マイクでクジラのクリック音を確認していた女性スタッフによる、海の生き物の解説です。
マッコウクジラの歯も触らせてもらいました。
今回のホエールウォッチングで初めて知ったこともたくさんありました。
「浅潜り」「深潜り」という言葉もその一つです。
マッコウクジラは、「浅潜り」をしながら呼吸を整え、最終的には、尾びれを高く上げた後、海中深く潜水する「深潜り」で、深海に住むダイオウイカなどの餌を取りに行くそうです。
マッコウクジラは、水深3,000m以上、1時間以上の潜水ができるようです。
なので、「深潜り」の後1時間は、マッコウクジラを見ることができないんだそうです。
「羅臼道の駅」で昼食
港に戻った後は、「羅臼道の駅」の2階の食堂で昼食です。
今日は、ホテルの朝食を食べずに、コンビニおにぎりで済ませていたので、お腹が空きました。
今日は、マッコウクジラにも会えたので、奮発して「ウニいくら丼」にしました。
美味い!
まとめ
100%必ずクジラを見ることはできないかもしれませんが、知床に行ったら、是非、ホエールウォッチングにトライしてみてください。
観光船の会社のホームページで、数日前の生き物の出現率も確認しながら、早めの予約がおすすめです。
次は、シャチが見てみたいな。
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