丹沢 鍋割山
丹沢の鍋割山に登りました。
頂上を前に、足がつったりして大変でしたが、そのレポートです。
私の山歩きの参考書、いつもの「日帰り名山100」です。
気楽に行けるご近所山の参考書、「日帰り名山100」の紹介です。 日帰りで行ける近所の山が、100紹介されているガイドブックです。
お手軽なところは、だいたい行ったので、今回は、鍋割山にチャレンジです。
「日帰り名山100」で紹介されているコースは、鍋割山に登って降りてのピストンのルートでした.
同じ道を降りるピストンルートは面白くないので、以下、秦野市観光協会さんのコースを参考に歩きました。
このコースマップは、とても役に立ちました。
ポイントとポイントの間の距離と標準的な歩行時間が書いてあるので、自分のペースが妥当かどうか確認しながら歩きました。
今回のコースの標高差は、1,000mちょい。
今まで、600mの標高差は経験があります。
そのときも、下り坂で膝を痛めたので、1,000mを越える標高差のつらさは、なんとなくイメージできました。
それなりの覚悟で臨んだのですが、結果、なまった体にはかなりきつかった。
普段から、スクワットとかして、身体鍛えないとダメですね。
ルート
アクセスは、小田急電鉄小田原線の渋沢駅北口からのバスで、ふもとの大倉まで行きます。
今日歩いたルートです。
ルート上のカメラアイコンをクリックするとその地点の写真と説明が表示されます。
※ ルートは事前に自己責任で調べてください。
09:08 渋沢駅に到着
09:18 渋沢駅北口からバス出発
09:30 大倉バスターミナルに到着
09:40 山歩き開始
10:47 黒竜の滝に到着
11:17 二股を通過
11:40 西山林道終点に到着
12:00 後沢乗越を通過
13:40 鍋割山山荘に到着 昼食(約25分)
14:45 小丸を通過
15:09 大丸を通過
15:25 金冷シを通過
15:40 花立山荘に到着 休憩(約12分)
16:13 天神平を通過
16:28 小菅平を通過
16:52 駒止茶屋を通過
17:21 見晴茶屋を通過
17:36 観音茶屋を通過
18:00 大倉バスターミナルに到着
18:08 大倉バスターミナルからバス出発
距離:16.86km
高低差:1,087m
歩行時間:8:24(食事や休憩含む)
渋沢駅北口
小田急電鉄小田原線の渋沢駅北口から、大倉行きのバスに乗ります。
9:18 AMに発車のバスに乗りました。
大倉
バスの終点、大倉には、秦野戸川公園があります。
綺麗に整備された公園です。
乗って来たバスとは、ここでお別れですが、夕方に下山したら、また同じバス停から渋沢駅行きのバスに乗ります。
山歩き開始
トイレに行って、準備運動をして、ストックの準備もできたので、いざ、山歩き開始です。
大倉バスターミナルのところにある「どんぐりハウス」の横の道標です。
道標の左側「県民の森・二股 鍋割山」から登ります。
右側「大倉尾根 塔ノ岳」は、下山してくる方向です。
先ほどの「どんぐりハウス」横の道標から道路を渡ると、すぐに、この登山口の道標があります。
「鍋割山・二股」の方向に進みます。
ふもとの村の道路脇のクスノキです。
青空に向かって、ぐんと伸びています。
畑の奥は、箱根方面の方角になります。
ふもとから塔ノ岳の方角を見た様子です。
山頂のあたりは、雲に覆われていますね。
「キンコンカンコンカン」「キンコンカンコンカン」と同じリズムで金属音が響いています。
何かと思ったら、この山道の脇でモデルガンの練習をしている人がいました。
自分の敷地にたくさんの的を立て、その的を次々に撃っていた音でした。
写真撮影はNGとのことでした。
西山林道
ここから、しばらくは、ゆるやかな西山林道をあるきます。
西山林道は、それほど広い林道ではありませんが、よく整備された歩きやすい道です。
この先のコーナーを曲がると、黒竜の滝の降り口があるはずです。
黒竜の滝
秦野市観光協会さんのコースガイドには、
「途中、ちょっと寄り道して黒竜の滝を見物してはいかがでしょう。」
とあったので、そのとおり、黒竜の滝に寄ってみます。
まだ、このときは、余裕があったのですね。
この奥に黒竜の滝がありますが、写真の奥は行き止まりになっていますので、もう少し山道を降ります。
こじんまりとした滝です。
せっかく降りてきたので、滝と反対側の川の方へも行ってみます。
四十八瀬川の上流です。
水がきれいですね。
四十八瀬川は、ここから、表丹沢県民の森を通り、秦野市街に流れていきます。
再び西山林道
西山林道に戻り、しばらく行くと、大きな分岐に来ます。
写真には写っていないですが、この道の左手にも道があって、その奥にゲートが見えます。
ゲートの先は、表丹沢県民の森に続く道だと思います。
写真の「鍋割山」の方の道を進みます。
尾関廣さんの銅像
尾関廣さんは、日本の登山団体の組織化に貢献された方のようです。
二股
二股に着きました。
ネットで「丹沢」を検索すると、「山ビル」のことが結構ヒットします。
私は大丈夫でしたが、鍋割山の山頂に着いた後、広場で休んでいたとき、
「途中で休憩したら、背中に山ビルが張り付いていた。」
と話されていたグループもいました。
渡ったら、すぐ左に進みます。
写真奥の山道を登ると、小丸を経由して鍋割山に行けるようですが、私は、後沢乗越から登るので、道標の左側「鍋割山」と書いてある方に進みます。
写真は、二段堰堤です。
どの堰堤も、水量が多いので、滝のようできれいです。
今までは、歩きやすい砂利道だったのですが、この辺りから、地面が岩になってきました。
本沢分岐
私は、写真に写っている桟橋を渡って左手に進みますが、写真の奥に上がっていくと本沢の滝に行けるそうです。
大倉からここまで、約2時間歩いてきましたが、実は、これからが山登りの本番です。
この広場には、鍋割山荘にボランティアで水を運ぶための水入りペットボトルが置いてあります。
申し訳ないですが、私は、これからの登り坂が不安だったため、今回は、ボランティアの水運び、辞退させてもらいました。
後々わかるのですが、この判断、正解でした。
きつい登り坂が始まる
後沢乗越
これから先も、きつい登り坂が続くので、ここでちょっと一休み。
山歩きの途中で足がつるのは初めてです。
痛みがだいぶおさまったので、ストレッチをして、また、登り始めます。
無事に山頂まで着けるか、不安になってきました。
でも、鍋割山山頂の方が明らかに近いので、足の具合を見ながら登山を続けます。
この後、鍋割山から下山するグループに何組か出会いました。
その中の一組にいた女性が、私の目の前で転倒されました。
特に足場の悪い所ではありませんでしたが、膝に来ていたのでしょうか。
そのまま、身体ごと笹の生えている斜面へ上半身から転がっていきました。
同じ組の男性二人が慌てて抱き起こしに行かれたので大事には至りませんでしたが、反対側の斜面は急な崖でしたから、一歩間違えれば、大きな滑落事故になるところでした。
「滑落事故は、こんな些細なことからも起こりうるんだな。」
と思い知りました。
この足の状態では、他人ごとではありません。
鍋割山
足の具合を見ながら、ゆっくりゆっくり登っていくと...
鍋割山山荘
鍋割山山荘の前には、名物の鍋焼きうどんの看板とのぼりが出ています。
この日は、テレビ東京の「たけしのニッポンのミカタ!」の取材が来ていました。
入り口の男性は、ADさんです。
先ほど、山荘のおばさんにお願いして、のぼりをTV映りの良い角度に直してもらっていました。
私も、TVカメラが来る前に名物の鍋焼きうどんを頼むことにします。
ここで鍋焼きうどんを注文し、出来上がったら、このカウンターで受け取ります。
冬用のストーブが置いてありますね。
鍋焼きうどん
カウンターで受け取った鍋焼きうどんを持って、外の広場のテーブルに向かいます。
先ほどまで、ぐつぐつと湧き上がっていたアツアツの鍋焼きうどんです。
水運びをしていないので、多少の後ろめたさを感じつつ、出汁を口に運びます。
「うぅん、美味い!」
少し甘めの出汁が、疲れきった身体に染み渡ります。
具材は、ネギ、ホウレンソウ、シメジやエノキのキノコ類、鳴門に油揚げ、もちろん、玉子。
なんと言っても、極めつけは、カボチャの天婦羅です。
天婦羅の衣に染み込んだ出汁と相まって、最高!
「名物に美味いモノなし」という言葉もあるように、正直、あまり期待してなかったのですが、この鍋焼きうどんは、思っていた以上に美味しいです。
鍋割山に登ったら、絶対に食べないと後悔しますよ。
食べ終わった土鍋を返しに行くと、鍋焼きうどんは売り切れたのか、看板ものぼりも片付けられていました。
あともう少し到着が遅かったら、鍋焼きうどん、食べ損ねるところでした。
ぎりぎりセーフ!
鍋割山山頂
鍋割山山頂には、山荘の左右に広場があります。
こちらは、鍋焼きうどんを食べたテーブルのある、山荘に向かって右側の広場です。
もう少し、この広場でゆっくりしたいのですが、日暮れまでに下山しないといけません。
身体に気合を入れて、リュックを背負い、さぁ、出発です!
しばらく眺めていると、ちょうど雲が晴れて富士山が頭を出しました。
周りからは、
「今だぁ!TVの撮影隊に教えてやれ!」
の声が上がります。
標高1,272m。
よく頑張って登ってきました。
山頂の標識を見たら、鍋割山山荘の横の道を通って、次のポイントの小丸に向かいます。
小丸
まずは、鍋割山から小丸までのルートです。
先に言ってしまうと、鍋割山から小丸、大丸、金冷シを経て、花立までの尾根は、見晴らしの良い場所にあり、今回の山歩きで、歩いていてとても気持ちの良い所でした。
よく整備された山道ですが、今日は上りの1段1段が足に堪えます。
大丸
小丸の次は、大丸に向かいます。
あまりゆっくり歩いていると、下山するまでに日が暮れてしまうので、冒頭に紹介した秦野市観光協会さんのコースマップをポケットからときどき取り出し、自分の歩くペースを確認します。
大丈夫。なんとか標準ペースで歩けています。
向かい側の尾根の先には、これから通過する花立山荘が見えます。
紅葉はまだまだですが、ほんの少し紅く色づき始めている木々もあります。
金冷シ
まっすぐ進むと塔ノ岳ですが、今日はあきらめます。
道が崩れているため、左側に歩道が作られています。
花立
富士山も見えますし...
四方に渡って、とても見晴らしが良く、気持ちがいいです。
大倉尾根
大倉尾根は、塔ノ岳から大倉に至る、約7kmの尾根で、だらだらと長い登りが続くことから「バカ尾根」とも呼ばれるそうです。
普段は膝が痛くなるので、下り坂の方が苦手なのですが、今日は登り坂にやられたので、下り坂がありがたく感じます。
花立山荘
写真奥の道を降りてきました。
持ってきたお茶も飲み干したので、休憩も兼ねてかき氷を食べます。
生き返る!
山荘に泊まるのもいいですね。
「今日は、これで4回目」とのことです。
後で丹沢では有名なチャンプ畠山さんとわかりました。
天神平
小草平
堀山の家
堀山の家の壁には、先ほどすれ違ったチャンプ畠山さんの記事が貼ってあります。
荷揚げの仕事をされながら、塔ノ岳への登頂は、5,000回を超えているそうです。
駒止茶屋
地面に落ちたヒノキの葉からいい香りがします。
一本松
長い岩場の坂が続きます。
下り坂で膝が痛くなる私は、そのつらさがよくわかるのですが、一本松の手前で、膝がとても痛そうに歩いて降りる男性を追い抜きました。
そのペースでは、ふもとの大倉に着くころは、かなり遅い時間になるのは、容易に想像できます。
大丈夫でしょうか?
見晴茶屋
バルコニーで本を読んでいたご主人に聞くと、大倉のバス停までは、まだ40分はかかるとのこと。
急がなければ。
先ほど、追い抜いた、膝を痛めた男性も、この美晴茶屋までは、十分に降りてこられる距離なので、最悪、ここで宿泊すれば大丈夫でしょう。
雑事場ノ平
左手奥の山道を降りて行きます。
観音茶屋
観音茶屋の明かりがホッとします。
ふもとに到着
やれやれ、無事に下山できました。
お疲れさまでした。
まとめ
標高差1,000mは、やはりきつかった。
歩行時間も8時間を超えたので、私にとっては、かなりのロングトレイルになりました。
なんとか、真っ暗になる前に山道を抜けられたので良かったですが、余裕をもって、早目の時間から登るのが大切ですね。
でも、鍋割山山荘の名物、鍋焼きうどんも最高に美味しかったし、鍋割山から花立の尾根の山道も、とても気持ち良いので、皆さんも一度トライしてみてはいかがでしょうか?
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