2度目の知床 1日目の目的
知床には、3年前に1度来たことがあります。
そのときは、ウトロ港から出ている観光船「オーロラ号」に乗り、その翌日は、知床五湖を散策しました。
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「オーローラ号」からは、遠くサケ・マスのふ化場がある河口に野生のヒグマを見ることができました。
2匹のヒグマがいるのわかりますか?
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この1度目の知床訪問から、さらに2年前にさかのぼります。
「夏の絶景 いい旅スペシャル」というテレビ番組で、北海道出身の元国会議員 杉村太蔵さんが、 「カムイワッカ湯の滝」 を紹介していました。
この「カムイワッカ湯の滝」にも行きたかったのですが、夏のトップシーズンは、マイカーの乗り入れが規制されていて、残念ながら、「カムイワッカ湯の滝」には行けませんでした。
ということで、2度目の知床訪問では、
- 「カムイワッカ湯の滝」に行くこと
- 前回は、「オーロラ号」から遠くにしか見ることができなかったヒグマに会うこと
を1日目の目的にしました。
新型コロナウイルスの影響で、長らく外出や旅行の自粛が求められていましたが、7月22日から「GoToトラベル キャンペーン」が始まりました。
今回の北海道旅行は、この「GoToトラベル」を利用しました。
また、同じ時期、北海道民を対象にした「どうみん割 キャンペーン」も実施されていたため、北海道の観光地は、どこも、それなりに混んでいました。
「カムイワッカ湯の滝」へのアクセス
今回も、マイカーでの乗り入れ規制期間なので、「カムイワッカ湯の滝」へは、「知床自然センター」からシャトルバスに乗って向かいます。
「カムイワッカ湯の滝」へのアクセスは、以下、「知床自然センター」のサイトがわかりやすいです。
シャトルバスの時刻表なども掲載されています。
まず、シャトルバスが発着する「知床自然センター」に向かいます。
ウトロ港から、国道334号線で知床峠方面へ向かう坂道を登っていきます。
海辺には、3年前に「オーロラ号」からヒグマが見えた、サケ・マスのふ化場があります。
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「知床自然センター」に着いたら、館内のチケット売り場でシャトルバスのチケットを購入します。
「カムイワッカ湯の滝」を歩くのに、水着を着用しておいた方が良いので、シャトルバスの時間までに、館内のトイレで着替えを済ませておくと良いでしょう。
また、シャトルバスの乗り場は、駐車場の中にあるので、発車時刻の数分前には、準備を済ませて、乗り場に向かいましょう。
シャトルバスは、「知床五湖フィールドハウス」を経た後、脇の砂利道に入り、バス1台がやっと通れる幅の道を登り、「カムイワッカ湯の滝」へと向かいます。
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途中、ヒグマがいないか、窓の外の景色に注意しながら進みます。
エゾシカは何頭か見られましたが、ヒグマはいません。
坂道をだいぶ登ってきました。
見下ろすと、遠い海には「オーロラ号」が見えます。
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「知床自然センター」でシャトルバス乗ってから、45分ほどで「カムイワッカ湯の滝」のバス停に到着します。
バス停から、「カムイワッカ湯の滝」までは、ここから10分ほど歩きます。
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「カムイワッカ湯の滝」
やっと、目的地の「カムイワッカ湯の滝」に着きました。
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案内板から少し入った辺りで靴を脱ぎ、いよいよ「カムイワッカ湯の滝」を歩きます。
写真のように、そこそこ急な岩盤を強酸性の温泉が流れる滝です。
水深は、30cm~40cmですが、やはり、水着を着用していた方が安心です。
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途中、少し水深の深い淵もありますが、温泉の温度は30℃程度なので、入浴して温まるということはできないでしょう。
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急で滑らかな岩盤ですが、強酸性の温泉が常に流れているため、苔などの植物は生えることができず、注意すれば素足でも歩けます。
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また、滝の横に遊歩道などはなく、終点の「一の滝」までは、 滝の中を歩いていくしか方法がありません。
滝の入り口から歩いて10分ほどで、「一の滝」まで行けます。
ここから先は、落石のため、侵入禁止です。
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断層の後でしょうか、岩盤には、くっきりとした筋が見えます。
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後は、足を滑らせないよう、注意して滝の入り口まで戻ります。
16時に近づいて来たので、そろそろ「カムイワッカ湯の滝」を後にします。
帰りのシャトルバスでも、ヒグマがいないか周囲に目を凝らしましたが、やはり、エゾシカしかいませんでした。
ヒグマに会いに行く
「知床自然センター」に戻ると17時を越えていました。
シャトルバスの乗り場の先の羅臼岳にも、夕日が差しています。
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「さぁ、ホテルにチェックインするか?」
と車に乗り込んだとき、息子が、
「ヒグマ見に行こう。」
「この時間、ヒグマがねぐらに戻るような気がする。」
と言い出しました。
「そうやね。ちょっと行ってみようか。」
ということで、シャトルバスで戻ってきた道を「知床五湖フィールドハウス」方面に車を走らせます。
車を発進させてすぐ、道路の脇に何かが動いています。
「なんや。鹿か。」
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さらに車を走らせると、先方の対向車線に車が一台止まっています。
車の横の斜面に目を向けると、
いました!
野生のヒグマです!
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ヒグマは、あっという間に山の中に駆け込んで行きました。
「やったぁ!」
「見れたな!」
「あとは、ホテルにチェックインするだけやな。」
すると、ハンドルを握っていた息子が、
「もう少し先まで行ってみよう。」
と言うので、もうしばらく、車を走らせることにしました。
「知床五湖フィールドハウス」に近い直線道路に来たときです。
「あっ!」
「もう1匹いた!」
道路の脇の草むらを1匹のヒグマがゆっくり歩いています。
車内は、ちょっとしたパニック状態です。
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ヒグマは、草むらから側道に降り、先方に車が止まっていることも気にせず、どんどん歩いていきます。
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しばらく歩いたヒグマは、道路の反対側に渡り始めました。
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近くに寄って来られた赤い車は、ちょっと焦ったように、前に進みます。
私たちの車と同じ車線の前方には、車はいません。
道の反対側に渡ったヒグマの横を通って、車を進めるしかありません。
「怖いな。」
車に乗車しているとは言え、数メートル先に野生のヒグマがいると思うと、なんとも言えない恐怖心を覚えます。
「ゆっくり進もう。」
ヒグマの真横に来ました。
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夏場の餌の少ない時期なのか、あばら骨が見えるくらい痩せています。
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ヒグマは、道路わきの土を掘り起こし、餌を探しているようです。
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念願の野生のヒグマがすぐ目の前にいます。
息子にゆっくり車を進めてもらいながら、運転席の窓越しにレンズを向け、後は、ひたすらカメラのシャッターを切りました。
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「すごかったな!」
「ヒグマいたな!」
興奮した会話をしながら「知床五湖フィールドハウス」で車をUターンさせ、来た道を戻りましたが、すでにヒグマの姿はありませんでした。
まとめ
念願の「カムイワッカ湯の滝」を歩いた後、「野生のヒグマ」にも会え、今回の知床も初日から有意義な旅になりました。
ウトロ港に戻る道から見える夕日も綺麗です。
ちょうど「オーロラ号」も港に戻ってきました。
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明日は、もう一つの知床の目的、「ホエールウォッチング」です。
クジラに会えるでしょうか?
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