はじめに
今回、思いつきながら、タウシュベツ川橋梁にたどり着きましたので、その雄姿の写真とともに、行き方含めて紹介します。
皆さんは、このブログを参考に、事前準備をしっかりして出かけてください。
タウシュベツ川橋梁の場所
タウシュベツ川橋梁は、旧国鉄士幌線に架かっていたコンクリートアーチ橋梁の中の一つで、特に代表的な橋です。
場所は、以下のGoogleマップのとおり、北海道、上士幌町の糠平湖にあります。
糠平湖はダム湖で、冬場にダム湖の水量が増すと、この橋は、Googleマップのとおり完全に水没してしまいます。
なので、タウシュベツ川橋梁は、"幻の橋"とも呼ばれています。
以前に「帯広から行ける観光地」でネット検索したら、このタウシュベツ川橋梁の写真がヒットしました。
一目見て
「行きたい!」
と思ったのですが、その記事の中に「許可車両以外通行禁止」の記載があり、結局、そのときはあきらめました。
タウシュベツ川橋梁への行き方
タウシュベツ川橋梁へは、この橋に通じる糠平三股林道を通っていきます。
ただし、この林道を車で通行するには、あらかじめ、通行許可証を取る必要があります。
下の看板の森林管理署で通行許可証をもらうとき、一緒にこの施錠を開ける合鍵も借りるようです。
森林管理署の場所は、上士幌町内の糠平国道273号線と足寄国道241号線の分岐点付近なので、糠平湖まで上がってくる前に森林管理署に電話をして、許可証と合鍵をもらうのが良いと思います。
林道の入り口ゲートに立てられている「タウシュベツ川橋梁見学の皆様へ」の看板を読むと、タウシュベツ川橋梁見学の選択肢は3つです。
このあと紹介する「NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター」さん主催の「旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー」も含めると、選択肢は4つになります。
- 対岸の「タウシュベツ川展望台」から眺める。
- 片道約4kmの道を歩いて行く。
- 車両での林道通行の許可証をとる。
- 「旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー」を利用する。
今回、私は、このあと書く諸事情により、2.の徒歩での見学になりました。
林道の入り口
タウシュベツ川橋梁へ行く林道の入り口は、層雲峡から糠平温泉に向かって、糠平国道273号線の「渡鹿橋」と「丸山橋」の間にあります。
Googleマップでは、以下の位置になります。
「幌加除雪ステーション」から糠平温泉の方にしばらく走ると「渡鹿橋」があります。
この橋の先の左カーブを曲がって、左手に見える入り口がタウシュベツ川橋梁への林道です。
タウシュベツ川橋梁にたどり着くまで
このあとは、私が、タウシュベツ川橋梁にたどり着くまでのいきさつを書きます。
糠平温泉に入るのが目的でした
当日は、今回の北海道旅行最終日で、夕方の飛行機で帯広から東京に戻る予定でした。
朝、起きて、帯広駅前のホテルの窓から外を見ると、今日も暑そうです。
「最終日の今日は、どこに行こうかな?」
とタブレットPCで調べて、結局、車で1時間20分ほどで行ける、糠平温泉に入ることにしました。
今からホテルを出ると、11:00 AM過ぎには、めざす「糠平館観光ホテル」の日帰り露天風呂につかれそうです。
上士幌町からは糠平温泉に向けて糠平国道273号線を北に走ります。
しばらく走ると、だいぶ山間の道になってきました。
すると、「ひがし大雪アーチ橋群」のうちの一つ、第三音更川橋梁の駐車場の看板が目に入りました。
「あの幻のコンクリートの橋は、このあたりなんだ。」
と思い、その駐車場に車を停め、スマフォでタウシュベツ川橋梁の位置を確認します。
当初の目的地の糠平温泉を過ぎ、もう少し、層雲峡の方に進んだところがタウシュベツ川橋梁の場所です。
あと、ネット情報では、対岸の「タウシュベツ展望台」からもタウシュベツ川橋梁が見えると書いてあります。
そうなると、急にタウシュベツ川橋梁に会いたくなり、とりあえず、「タウシュベツ展望台」まで行ってみることにしました。
タウシュベツ展望台
タウシュベツ展望台に着きました。
(※ この写真は、層雲峡から糠平温泉に向かう方向から撮っています。糠平温泉からだと展望台は、向かって右側にあります。)
"展望広場まで180m"と書いてあるので、すぐですね。
例年だと10月頃には完全に水没するらしいですが、今年は水量が少ないのか、全身が地上に出ています。
手前の草むらに見える、たくさんの黒い点は、木の切り株のようですね。
この展望台から見ても、凛々しいたたずまいです。
「ここまで来たら、すぐ側まで行ってみたい!」
「とりあえず、林道まで行ってみよう!」
思いつきで行動する性分が騒ぎ始めました。
幌加除雪ステーション
とは言っても、林道の入り口やそこからの行き方は全くわかりません。
とりあえず、さらに層雲峡方面へ車を走らせ、林道の入り口を探してみました。
国道の橋を2つほど渡った右手に、それらしい林道がありましたが、トイレ休憩も兼ねて、「幌加除雪ステーション」まで行くことにします。
たまたま、トイレの入り口に、「NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター」さんが主宰されている「旧国鉄士幌線 アーチ橋見学ツアー」のポスターが貼ってありました。
この見学ツアーに参加すると、タウシュベツ川橋梁の他、周辺のアーチ橋群に連れて行ってくれるようです。
① 9:00〜11:30
② 14:00〜16:30
の1日2回催行と書いてありますが、すでに①の時間は過ぎています。
②に参加すると飛行機の時間がやばそうです。
「NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター」さんのホームページは以下です。
旧幌加駅
「やはり、今日は無理かな。」
「おとなしく糠平温泉に入って帰るか。」
半分あきらめながら「幌加除雪ステーション」の駐車場から糠平温泉に向けて車を出しました。
すると、駐車場を出てすぐに、道路の脇の木々の間から旧幌加駅の駅名標が見えました。
「ほろか」という文字がなんなく侘しくもあり、でも、この場所とタウシュベツ川橋梁の間に、確かに鉄道が走っていたことを私に伝えているようでもあります。
「とりあえず、林道の入り口まで行ってみよう。」
と思い直し、先ほど当たりをつけておいた林道に入ります。
タウシュベツ川橋梁までの林道
「タウシュベツ川橋梁見学の皆様へ」の看板を読むと、タウシュベツ川橋梁見学の選択肢は3つです。
あと、「NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター」さん主催のツアー参加も入れて4つ。
- 対岸の「タウシュベツ川展望台」から眺める。
- 片道約4kmの道を歩いて行く。
- 車両での林道通行の許可証をとる。
- 「旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー」を利用する。
1.は、先ほど行きました。
3.は、今すぐに許可が降りるかどうかわかりません。
4.は、時間的に無理です。
消去法で、2.の徒歩で行くしかありません。
往復8kmの道のりを考えると、タウシュベツ川橋梁に着いてからの写真撮影の時間を入れても、2時間ちょいでここに戻って来れそうです。
「でも、この林道を歩いてタウシュベツ川橋梁見に行くやつなんか、きっと俺しかおらんな。」
「クマ怖いな。」
「今日は暑いから、往復8kmも歩いたら、汗だくになりそうやな。」
徒歩見学を決行
悩んだ挙句、ネットに書いてあった
「タウシュベツ川橋梁はいつ崩落してもおかしくない。」
という一文を思い出し、
「今日、行くしかない!」
と、歩いて行くことに決めました。
道の状態ですが、車が通れる林道なので広いし、よく整備されています。
クマよけの鳴り物なんか持ってないので、大声で歌を歌いながら歩きます。
歌はもちろん「森のクマさん」です。
クマのフン?
道の真ん中に、動物のフンがありました。
自分の靴の大きさと比べても、とても大きいです。
キタキツネのフンは、犬と同じくらいの大きさなので、もしかしてクマのフン?
「クマは用心深いので、目立つような痕跡は残さない。」
と聞いていたので、こんな道のど真ん中にフンをしたりしないのかな?
やっぱり普通は、許可証もらって車で来るの?
「160/162」だとすると、もう少しで到着?
奥が開けて見えるので、タウシュベツ川橋梁はもうすぐのはずです。
「タウシュベツ橋梁ご見学の皆様へ」の看板があるので、この道の先にタウシュベツ川橋梁があるのは間違いありません。
想定通り、林道の入り口からここまで、約40分で来ました。
タウシュベツ川橋梁に到着
ついに着きました!
会いたかったタウシュベツ川橋梁が見えました。
今は水が少ないですが、水量が多いときはこの河原もダム湖の底に沈んでいるんでしょうね。
写真を拡大すると、画面中央の森の中にそれらしき広場が見えます。
タウシュベツ川橋梁の雄姿
ここからは、ひたすらカメラのシャッターを切りました。
タウシュベツ川橋梁の雄姿をご覧ください。
思ったより、幅が狭いです。
単線ぎりぎりの幅ですね。
この幅を汽車が走っていたんですね。
汽車に乗ってこの橋を渡った人は、どんな思いでこの風景を見たんでしょう。
名残惜しいですが、タウシュベツ川橋梁ともそろそろお別れです。
その凛々しい姿で、これからもこの場所に立ち続けて欲しいです。
帰り道
昨日の釧路湿原ネイチャーツアーで教えてもらったハンゴンソウです。
昨日見たのは蕾だけでしたが、こんな黄色い花が咲くんですね。
花は綺麗なんですが、林道を歩く間、ずっとアブかブトかわからない虫が付きまとってきます。
慣れもあって、帰り道は、クマよりもこの虫を追い払うのに一生懸命で、「森のクマさん」歌ってませんでした。
ゲートを越えて、また1台車が入ってきます。
バイクが1台、様子をうかがっています。
バイクだったら、ゲートの横の隙間から、入れるのかな?
大阪ナンバーのバイクでした。
やれやれ、無事に生還できました。
思いつきでしたが、タウシュベツ川橋梁の凛々しい姿を見ることができました。
タウシュベツ川橋梁の見学は、自己責任でお願いします。
汗をかいたので、もともとの目的地、糠平温泉で一風呂浴びて帰ります。
コメント
2017年8月1日にタウシュベツ川橋梁に行ってきました。
このサイトの看板の写真にあった東大雪支署に行ったら、すぐに車両通行許可証とゲートの鍵を貸して下さいました。サイトのおかげで、助かりました。
4月に大きな崩落があったそうで、このサイトの写真より更に崩れた部分がありましたが、かろうじて全部が繋がった橋を見ることができました。今年も、水は無く、橋全体が見渡せました。本当にきれいな橋ですね。1日でも長く、橋に残ってほしいです。
ほしのさん
このサイトの情報が役に立って良かったです.
まだ,繋がっているようで安心しました.
私も昨年の8月,台風7号が北海道に上陸した日,東大雪支署に鍵を借りに行きました.
そのとき,「もう,川に沈んでいると思いますよ」と聞いていたのですが,台風が過ぎた2日後にタウシュベツ川橋梁に行ってみました.
そのときは,写真のとおり,タウシュベツ川橋梁は,川に沈んでいて全く見えませんでした.
本当に1日でも長く残って欲しいですね.