ばんえい記念
「ばんえい記念」は、年度の締めを飾るとともに、その年の最強場を決める、年に1度の重賞レースです。
JRAのレースで言うと「日本ダービー」に相当します。
このブログでも、何度かばんえい競馬の紹介をしましたが、息子の強い奨めもあり、「ばんえい記念」のレースを観るために、また、ばんえい競馬場にやって来ました。
帯広の人はもちろん、地元を離れ遠くに住んでいる人やばんえい競馬のファンも、このレースを楽しみに、多くの人が遠路はるばる駆けつけるそうです。
ばんえい十勝
今日は、オッズパークのマスコット、マキバオーも遊びに来ています。
キタノタイショウが人気ですね。
「ばんえい記念」の特別ルール
上の写真にも載っている「ばんえい重量」とは、ばん馬が引くソリの重さです。
サラブレッドの競馬と同様、普通のレースでは、その馬の成績に基づいて重りの重さで、ハンデキャップを調整します。
しかし、この「ばんえい記念」だけは、ハンデキャップなしの全頭同じ1,000kg、つまり、1tの重さを引っ張ります。
もう1つ、「ばんえい記念」だけのルールがあります。
他のレースでは、第2障害を越えてからゴールするまで、馬が自らの意志で止まる以外は、騎手が馬の歩きを停めてはいけません。
八百長防止のためのルールだと思います。
「ばんえい記念」だけは、ゴール前でも、騎手が馬の息を見ながら、馬の歩みを停めても良いことになっています。
それだけ、1,000kgの重さが過酷だということです。
その年の最強の馬を決めるレースなので、強者揃いですが、第2障害がなかなか越せないことからも、1,000kgのきつさがわかります。
さらに、今日は、馬場水分が1.7%と重馬場です。
サラブレッドの競馬と違い、水分が少ない方が、ソリが滑りにくくなり、重馬場になります。
馬場水分を見て、レース展開を予想するのが、ここ、ばんえい競馬の醍醐味なのだそうです。
ふれあい動物園
スタンドの裏には、ばん馬やポニーと触れ合える、ふれあい動物園があります。
ばんえい十勝のマスコットキャラクターにもなっている、リッキーです。
ここにいるばん馬は、帯広市の特別嘱託職員です。
陸上自衛隊第5音楽隊
ばんえい記念のレースでは、陸上自衛隊第5音楽隊による、生ファンファーレが演奏されます。
競馬ファンの中でも、特に人気の高いファンファーレだそうです。
「楽しみにしていますよ。」
馬券の購入
昨晩、息子に聞いていたレース展開の予想をもとに馬券を買います。
単勝で、
5番:フジダイビクトリー 200円
8番:キタノタイショウ 200円
4番:ニュータカラコマ 100円
複勝で、
2番:ホクショーユウキ 100円
10番:インフィニティー 100円
レース開始
いよいよ、レースの開始です。
生ファンファーレ
陸上自衛隊第5音楽隊による、出走前の生ファンファーレの動画です。
気持ちが高まりますね。
レース展開
当日のレース展開は、やはり、動画で見るのが一番わかりやすいです。
以下のYouTubeの動画を見てください。
第2障害
各頭、第2障害の前で慎重に間合いを取ります。
第2障害を一番最初にクリアしたのは、4番のニュータカラコマです。
なかなか他の馬が第2障害を越せない間に、ニュータカラコマがぐんぐん進みます。
このまま、独走でゴールするかと思いました。
手に汗握るデッドヒート
ニュータカラコマに続いて、第2障害をクリアしたのは、9番のコウシュハウンカイ。
その後に、5番のトレジャーハンター、6番のフジダイビクトリーが続きます。
2番手で第2障害を越えたコウシュハウンカイが、足の止まってきたニュータカラコマに追いつきます。
ニュータカラコマとコウシュハウンカイが競り合う中、4番手で第2障害を越したフジダイビクトリーが、すごい脚力で2頭に追いつきました。
大逆転のゴール
勢いの止まらなフジダイビクトリーが、30m差を大逆転して、そのままゴール。
惜しみない拍手
1番のフクドリは、第2障害で力尽き、膝が折れて立ち上がれません。
「フクドリ!」
の声援が飛びます。
騎手の安部さんが馬具を外して、やっと立ち上がりました。
「フクドリ、頑張れ!」
「もう少し!」
の熱い声援が響きます。
私も写真を撮りながら、思わず大きな声で応援していました。
トップに遅れること約5分。
フクドリも無事にゴールです。
フクドリがゴールすると、フジダイビクトリーがゴールしたとき以上に大きな拍手が沸き起こります。
以下、「いいね、ばんえい」さんのFacebookには、ゴールするまで声援してくれた観客に頭を下げている安部騎手の写真がアップされています。
フクドリの安部騎手、声援してくれたファンに一礼。
いいね、ばんえいさんの投稿 2016年4月3日日曜日
1,000kgの重さのソリを引いて、第2障害を懸命に超える馬の健気さ。
ゴールまで、あきらめずに、白い息を吐きながら進む馬のひたむきさ。
着順に関係なく、惜しみない声援と拍手を送る観客。
はじめての「ばんえい記念」でしたが、胸が熱くなりました。
ここでしか味わえない感動です。
レース結果
レース結果です。
1着 6番:フジダイビクトリー
2着 4番:ニュータカラコマ
3着 9番:コウシュハウンカイ
表彰式
表彰台の横、厩舎の方に連れられ、優勝したフジダイビクトリーも誇らしげです。
場内を後に
表彰式も終わり、場内を後にします。
「リッキー、ほんと感動したよ!」
「できれば、また、来年も見に来たいな。」
コメント
ずいぶん前のブログに唐突にコメントすみません。
実はニュータカラコマのレース写真を探していて、このブログにたどり着きました。
私は毎年二科展のデザイン部門にばんえい競馬の作品を作って応募しているものなのですが、今年は追悼の意もかねてタカラコマを描きたいと思っていました。
アレンジをするのでそのまま使用するわけではないのですが、ここで掲載されているタカラコマの第二障害の写真を参考にさせていただいてもいいでしょうか?
これは昨年の作品でオレノココロをモチーフに描いたものです。
http://www.nikaten.com/nikaten_info/102nikaten/102prize_design/022_des.html
こんな形でB1パネルに今時アナログに手描きをしています。
ぶしつけなお願い事で恐縮ですが、何卒許諾をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
澤田 さん
当ブログの閲覧ありがとうございます.
今年のばんえい記念のニュータカラコマの事故は残念でした.
私も競馬場でレースを見ていたので、心が痛みました.
どうぞ当ブログの画像を使って良い絵を描いてください.
オレノココロの絵も素敵ですね。
3/19ばんえいギャラリーで開催中の個展を見せて頂きました。
初めてこのポスターを描いていた方を知ることができ、もっと
もっと、他の絵も見たくなりました。あの迫力と緻密な表現、更に、
印刷の様な美しい文字表現、只の水彩画家ではないのが分かりました。
ばんえい競馬の益々の人気の為にも今後もご活躍を大いに期待しています。個展ももっと人が集まりやすい帯広駅とかとかちプラザとかで開催されては如何でしょうか。競馬のない日はばんえいギャラリーも閑散としていて、折角の作品も淋しそうでした。本当に素晴らしい作品ばかりでした。有難うございます。水彩画が趣味の帯広市の隣、音更町の一市民より。
北嶋さん
ブログの閲覧ありがとうございます.
今日は,第51回ばんえい記念のレースがある日ですね.
ばん馬ギャラリーで開催されている澤田さんの個展も含め,今年は「ばんえい十勝」に足を運べませんでしたが,澤田さんの絵にも描かれているニュータカラコマのことを記事にしました.
合わせてご覧ください.